前へ

次へ

10-FEET、スカパラ、吉川晃司らが集結!! 氣志團万博、千秋楽をレポート

氣志團万博 | 2014.10.08

 氣志團が主催する野外フェス『氣志團万博2014~暴走大パニック!超激突!!~』が、彼らの地元、千葉県・袖ヶ浦海浜公園で行われた。2012年に野外フェス・スタイルとなっての3年目は3デイズでの開催。9月13日は、ももいろクローバーZ、岡村靖幸、きゃりーぱみゅぱみゅ、14日は、和田アキ子、黒夢、VANPS、RIP SLYMEなどなど、バラエティに富んだ豪華メンツが集結。2万人を動員した千秋楽15日も、強力なラインナップによるライブが繰り広げられた。

 まずwelcome actとして登場したのは、ピンクの学ラン風ワンピースにリーゼントの華原朋美。客席中央のセンターステージで「I’m proud」、GLAYの大ヒット曲「HOWEVER」を伸びやかに歌い上げると、会場は大きな拍手に包まれた。

 そして『氣志團万博』恒例、森山直太朗による開幕宣言からいよいよ本格的にイベントが開幕。

 1番手は、ホストの氣志團。神輿に乗った綾小路 翔がステージに登場し、神輿ごと宙にあがって「房総大パニック」をブチかます。しょっぱなからお祭りモード全開。ダンサーたちと「スタンディング・ニッポン」(「スウィンギン・ニッポン」の別バージョン)で観客をアゲていくと、センターステージで「キラ キラ!」を熱唱。“オレらの地元へようこそ!”“この地に日本の神々が来てます。今日も過剰な期待しかするなよ!”と綾小路が叫び、「喧嘩上等」で会場は“オ~オオ”の大合唱。「The アイシテル」では、大勢の全裸風のダンサーたちが華麗なウチワさばきで観客を楽しませる。キラーチューン「one night carnival」では、綾小路と早乙女光がステージ左右に置かれた巨大狛犬にまたがり、ステージ真ん中まで移動してくる大仕掛け。さらに曲の後半のサビを観客が大合唱という感情的な場面も見られた。そして同郷、千葉のゆるキャラ、ふなっしーが乱入すると、「ぶぎぶぎふなっしー」をコラボで歌うスペシャルな展開に。最後は、「ゆかいな仲間たち」で楽しくハッピーな空気を作り上げた。最高な形で次のライブへつなげる、イベントのホストとしての役割を全うするあたりは、さすが氣志團だ。

 続いては、『氣志團万博』3年連続出場の仙台貨物。北島三郎の「まつり」を熱唱するボーカルの千葉は、神輿に担がれ花道からセンターステージに。ふんどし姿のマッチョマンたちがマッスルポーズを取る中、歌われたのは「サタデーナイトゲイバー」。ゆるさと激しさと楽しさが混在する仙台貨物のカラーに、どんどん染められていく観客たち。東北なまりとメタリックサウンドのミスマッチ感が絶妙な「メタルはじめました」、キャッチーかつメロディアスな「うまなみで。」とライブは進む。自ら率先してふんどし姿になった千葉が“ウィー・ラブ・千葉県!”と叫ぶと、「送る言葉2」で会場全体でタオル回し。そして「チバイズム~手ぬぐいを脱がさないで~」でアッパーに観客を乗せまくり、ラストは「ひげダンスのテーマ」からの“ウルトラソウル!”“ヘイ!”を連発すると、笑いとジャンプの波を巻き起こった。

 次の出演者は10-FEET。無数のタオルが掲げられる中、仙台貨物の余韻を引きずる“ウルトラソウル!”を一瞬プレイ。“行くぞー! 用意はいいかー!”とTAKUMAが声を上げ、「RIVER」から全力で飛ばしていく3人。瞬く間に、モッシュとクラウドサーフが沸き起こり、続けざまに「JUST A FALSE! JUST A HOLE」「SHOES」をたたみ込んでいく。「under the umber shine」では観客が大合唱、そしてハードに攻め立てる「1sec.」では会場が砂煙でかすむ巨大サークルモッシュが起こった。3人のバンドのパワーのみでグイグイを観客を引っ張っていく様は、百戦錬磨のライブバンド10-FEETならでは。エモーショナルに燃えたぎる「その向こうへ」から、「one night carnival」をワンフレーズ挟みつつ、“タオルぶん投げろ!!”の声から「CHERRY BROSSOM」で会場全体が大ヒートアップ。強烈なインパクトを残す10-FEETのステージだった。

 そこからガラリと雰囲気をチェンジさせたのは、シド。白いハットと衣装に身を包んだマオの愁いをおびたボーカル、透明感のあるShinjiのギターが野外の会場に映え渡る。メロディアスな「hug」、ダンサブルな「サマラバ」、グルーヴ感と突き抜けるサビがたまらない「ENAMEL」と幅広い楽曲で観客を引きつけていく。ファンキーな「眩暈」では会場中でジャンプ。マオは、目の前の観客だけでなくフードコートの人たちにも語りかける斬新なMC。“風が気持ちいいね”という言葉から、やさしく心地よく広がっていくメロディの「光」を、全ての観客に感謝を伝えるように演奏するのだった。

 ハーフタイムショーで森山直太朗が「夏の終わり」を弾き語りしたあとは、AKB48の登場だ。氣志團万博選抜メンバーの16人は、“栄華美48”“愛扉流”などの刺繍が入った黒地にピンクのセーラー服、そしてサングラスというヤンキー・スタイルで「フライングゲット」を披露。いつもよりドスが効いた歌声も新鮮だ。サングラスを外しセンターステージに飛び出すと、「会いたかった」「Everyday、カチューシャ」でキャッチーに観客のハートをつかんでいく。高橋みなみ、渡辺麻友の自己紹介も、この日ならではのヤンキーのり。そして、特攻服の高橋みなみ、峯岸みなみ、指原莉乃、松井珠理奈、渡辺美優紀が「喧嘩上等」を歌い、小嶋陽菜と森山直太朗が「ふたりの愛ランド」をノリノリでデュエット。大ヒット曲「ヘビーローテーション」や「心のプラカード」などを歌い、ラストは氣志團とのコラボで「恋するフォーチュンクッキー」を歌い、会場全体をハッピーなムードに包んだ。綾小路は“わずか30秒だったけど、AKBのセンターを務めました!”と思わずよろこびの声を上げた。

 さて、さらに『氣志團万博』を勢いづかせたのは、ゴールデンボンバー。メンバー全員学ラン姿…かと思いきや、鬼龍院翔は学ラン・ボディペイントでステージに登場。観客は、1曲目の「ワンマン不安」からハンドクラップ。鬼龍院の“とってもダサい振り付け踊ってください!”の声から歌われた「酔わせてモヒート」では、メンバーがセンターステージに並び、4人のダンスに合わせて全観客がノリノリで振りコピ。「抱きしめてシュヴァルツ」では、喜矢武豊がキャベツの千切り&マヨネーズをつけての手づかみ食い、樽美酒研二はTバック姿で自転車をこぎ、花道で大股を開いて乗り降りを繰り返す。「元カレ殺ス」で喜矢武は真空パック状態になりと、やりたい放題のパフォーマンスに大爆笑の観客。ヘヴィに疾走する「ローラの傷だらけ」のサビは大ヘドバン大会となり、鬼龍院が“ありとあらゆるヴィジュアル系の動きを取り入れた”と語る「毒グモ女」では観客全員がジャンプし最後はウィッシュ・ポーズをキメた。そしてとどめのナンバーは「女々しくて」。黄色の大きなボンボンを手にしたメンバーに合わせて、大人からちびっ子まで大興奮で踊りまくる。その光景は、もはや感動を覚えるものがあった。

 気がつけば陽も落ち、『氣志團万博』も残るは2アクトのみ。セミファイナルに登場は、今年デビュー25周年をむかえた東京スカパラダイスオーケストラ。カラフルなライティングの中、ソリッドなギターと突き抜けるようなホーンがこだまする。パワフルなアレンジの「ルパン三世 ’78」で観客はスカダンスの嵐。「DOWN BEAT STOMP」「スキャラバン」とアゲ続けたあと、颯爽とセンターステージに向かった谷中敦は“戦うように楽しんでくれよ!”と大声でMCし、大歓声が沸き起こる。会場はビッグパーティと言った様相だ。そして、青いスーツの10-FEETが登場し、両者のコラボチューン「hammer ska」と、「閃光 feat.10-FEET」が披露されると、会場全体のテンションはますますアガりまくる。谷中が“みんな手を挙げろ!肩を組め!”と力強く声を上げ、ラストは「All Good Ska is One」で全観客が揺れる。10-FEETはセンターステージでピラミッド、扇と組み体操を見せ、さらに綾小路も表れ谷中と肩を組み、ステージ上と観客全員が文字通りひとつになって、スカパラのライブはフィニッシュとなった。

 さて、いよいよ大トリは、綾小路が『氣志團万博』への出演を切望し、直接本人のライブ会場で出演の承諾を得た吉川晃司の登場だ。氣志團がオープニングSEとして使用している、complexの「BE MY BABY」からライブは始まった。太く力強い吉川のボーカルが夜の袖ヶ浦に響き渡る。曲の終わりには早くも必殺シンバル・キックが飛び出した。“みなさんごきげんよう!最後までよろしく!”と言い放つ、吉川の堂々とした佇まいはハンパなし。「RAIN-DANCEがきこえる」「せつなさを殺せない」といったヒットチューンを披露し、連続でシンバル・キックを放つ。バラードの「ONE WORLD」では、強力に惹きつける歌ぢからを見せる。とにかく歌の説得力がすさまじいのだ。ブラスロック・テイストにビルドアップされた「BOY’S LIFE」、ソリッドに磨かれたアップチューン「恋をとめないで」、ハードなロックチューン「The Gundogs」を熱唱し、ラストナンバー「Juicy Jungle」で4度目のシンバル・キックをダイナミックに炸裂させた。

 盛りだくさんだった今年の『氣志團万博』を締めくくるべく、Closing performanceでステージに戻った氣志團。ハッピ姿で最後の最後に歌ったのは「Choo Choo TRAIN」。EXILE完コピのダンスで観客を沸かせ、最高のエンディングを演出する。そして綾小路が、“2014年の夏がいよいよ終わるぜ。こんな町だけど、来てくれてほんとにありがとう。一生懸命がんばってれば、諦めないで生きてれば絶対にいいことがあるってことを、これからも氣志團が証明していきます!”と力強く語ると無数の花火が打ち上がった。“花火見てるときみたいに、音楽聴いてるときみたいに、みんなで同じ方向を向いて日本が、世界がずっと平和でありますように”という彼のメッセージに大きな拍手が起こり、今年の『氣志團万博』は大団円のフィニッシュとなった。

【取材・文:土屋恵介】

tag一覧 ライブ イベント 氣志團 10-FEET 東京スカパラダイスオーケストラ 吉川晃司 ゴールデンボンバー

リリース情報

喧嘩上等 (CD+DVD)

喧嘩上等 (CD+DVD)

2014年05月21日

影別苦須 虎津苦須

<CD>
1.喧嘩上等
2.友よ
3.喧嘩上等 (カラオケ)
4.友よ (カラオケ)

<DVD>
1.喧嘩上等 (ミュージックビデオ)
2.喧嘩上等 メイキング映像

このアルバムを購入

お知らせ

■ライブ情報

氣志團 HALL GIG TOUR開催決定!
2015/01/10(土)埼玉・戸田市文化会館
2015/01/12(月・祝)千葉・君津市民文化ホール
2015/01/16(金)埼玉・大宮ソニックシティ 大ホール
2015/01/17(土)栃木・栃木県総合文化センター 大ホール
2015/01/24(土)千葉・千葉県文化会館
2015/01/25(日)宮城・仙台市民会館
2015/01/31(土)北海道・札幌市教育文化会館 大ホール
2015/02/07(土)静岡・静岡市民会館
2015/02/11(水・祝)福岡・福岡市民会館
2015/02/14(土)京都・文化パルク城陽プラムホール
2015/02/15(日)滋賀・守山市民ホール 大ホール
2015/02/21(土)神奈川・厚木市文化会館 大ホール
2015/02/22(日)新潟・テルサ
2015/02/28(土)香川・サンポートホール高松
2015/03/01(日)広島・アステールプラザ 大ホール
2015/03/14(土)東京・渋谷公会堂
2015/03/15(日)東京・渋谷公会堂
2015/03/20(金)大阪・オリックス劇場
2015/03/21(土)愛知・日本特殊陶業市民会館(名古屋市民会館)大ホール
2015/04/03(金)富山・クロスランドおやべ
2015/04/04(土)長野・ホクト文化ホール・中ホール

※その他のライブ情報、詳細はオフィシャルサイトをご覧ください。

トップに戻る