幕が上がり6人の夫人達がポジションに着くと、トレードマークだったアフロヘア―をさっぱりとカットした清 竜人がゆっくりとした足取りでステージに登場。いきなりのイメージチェンジにファンがざわつく中、スポットライトを浴びた彼はニヤリと微笑み満員のフロアーを見渡すと、開口一番「俺に抱かれに来たやつ声出さんかい！」と観客に火をつけ、「お前とラブボクシング！」と熱狂の扉を開くとっておきの呪文で大歓声を呼び込み、清 竜人２５“ハネムーン♡ツアー”追加公演はスタートした。

　9月に1stアルバム『PROPOSE』をリリースし、アルバムお披露目を兼ねた初ツアーという新婚旅行で東名阪を回って来た一夫多妻制アイドルユニット清 竜人２５。１曲目の「ラブ♡ボクシング」に続き「A・B・Cじゃグッと来ない!!」「どうしようもないよ...」と竜人流の力強いアッパーな求愛ソングが間髪入れずにフロアーに連打されると、会場は歓喜で満たされ、全ての観客は早くもKO寸前のラブパンチドランカー状態に。

　清 竜人２５のライブの魅力は、夫と夫人という設定を軸にした中で会話のように展開する物語性のあるパフォーマンス。中盤「Call♡Me♡Baby」「やっぱりWifeがNo.1♪」「逢いたいYO~♪」の流れはまさにその魅力が満載で、竜人がそれぞれの夫人とダンスし見つめ合ったり、夫人達からの恥らいながらも積極的なキス攻撃があったりと、ステージ上で繰り広げられるコミカルで愛らしいいちゃいちゃ振りにフロアーからは男女関係なく歓声があがり、竜人ファミリーの恋愛ストーリーに観客はどんどん引き込まれていく。

　この日のピークは本編最後のMC中一旦舞台そでに下がった竜人を「Mr.PLAY BOY...♡」で再びステージに連れ出すという、ツアー恒例会場一丸での「スケベ」コール。清 可恩の先導で「Yo! Yo! 渋谷！ 渋谷！」「Yo! Yo! 竜人！ 竜人！」「Yo! Yo! スケベ！ スケベ！」とコール＆レスポンスで場が一つになったところで「竜人くーん」とみんなで主役を呼び込み、観客の持つサイリウムが一斉に彼に向けられると竜人はステージ前方でダンス＆シャウト！ライブはその後「The♡Birthday♡surprise」へと続きラストソングの「誓いのワルツ」へ。6人の夫人と順にワルツを踊り、彼女達のソロパートに応えるように一人一人と竜人が愛を誓う感動的なアルバムエンディング曲で本編は終了し緞帳が下ろされた。

　アンコールではサプライズが２つ。先ずはステージ中央にグランドピアノが登場し、そこに衣装替えをした竜人が現れメンデルスゾーンの「結婚行進曲」を披露。力強くも温かい演奏で自らツアーファイナルとなるハネムーンに花を添えた。ピアノと共に竜人が下がると今度はデビュー曲「Will♡You♡Marry♡Me？」の時のウェディングドレスに身を包んだ夫人達が手を振りながら元気に登場。清 美咲から2つ目のサプライズとして来年（2016年）4月9日中野サンプラザでのワンマンライブが発表され会場はこの日最大級の歓声と拍手に包まれた。初ツアーを終えた感想とファンへの感謝の気持ちを6人の夫人それぞれが語り終えると、最後はこの型破りなアイドルグループの始まりの曲「Will♡You♡Marry♡Me？」で大団円。

　今回のツアーファイナルで一番印象に残ったのは6夫人それぞれの存在感。歌のレベルアップは勿論の事、曲ごとに各自しっかりとしたステージアピールもあり、その成長ぶりには驚かされた。アイドル？アーティスト？という枠からはみ出しまくり、幕が上がってから家に帰り着くまで続く清 竜人２５の魔法のような多幸感。初のホールライブとなる来年4月の中野サンプラザは、どんなステージを見せてくれるのか今から楽しみだ。

【取材・文：山村哲也】